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女子膀胱憩室と膀胱癌及び膀胱結石合併例
小西 武彦
1
1北海道大学医学部泌尿器科教室
pp.384-387
発行日 1956年6月1日
Published Date 1956/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201702
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結言
膀胱憩室の治療に於いては,憩室自体の治療と同時に憩室発生の基因となつた下部尿路通過障碍に対する適正な治療並びに合併症の有無及び種類等に就いても充分考慮しなければならない。膀胱憩室の合併症として尿停滞に基く感染や結石発生は周知の事実であるが,膀胱腫瘍(憩室内原発性腫瘍を除く)の合併は予想外に少なく,本邦に於ける報告は村山,石渡一荒木及び岡の僅々3例を見るに過ぎない。此の中村山及び石渡の例は夫々ポリープ及び皮様嚢腫であつて,真の膀胱よりの腫瘍合併は岡の只1例のみで此の例も手術は行われていない。術前に診断が確定して手術的治療に成功したのは余の例が最初と思われる。尚自験例は膀胱憩室としては比較的少い女子であつたことも興味が湧いたので,以下症例を記載すると共に少しく文献的考察を試みた。
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