特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅱ 疾患・病態の診療
7 腫瘍
前立腺腫瘍
093 前立腺肥大症
曽我 倫久人
1
1愛知県がんセンター中央病院泌尿器科
pp.268-270
発行日 2013年4月5日
Published Date 2013/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103162
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
1 概念,病因
前立腺肥大症(benign prostate hyperplasia:BPH)とは,前立腺の良性過形成による下部尿路機能障害を呈する疾患と定義されている1)。BPHに伴う症状は,排尿障害と蓄尿障害が存在し,排尿障害は,下部尿路の閉塞により尿流速が低下した状態で,蓄尿障害は,下部尿路の閉塞により二次的に膀胱の蓄尿障害が発症した状態である。病因として加齢があり,年齢とともに前立腺容量は増大し,最大尿流率が低下,残尿量が増加することは知られている(図1)2)。BPHの発症機序は明確には証明はされていないが,思春期に去勢を行った場合には発症しないことより,男性ホルモンの変化が関与することが推測されている3)。
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.