特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅱ 疾患・病態の診療
5 腎疾患
その他の腎疾患
073 特発性腎出血
成田 伸太郎
1
1秋田大学医学部泌尿器科
pp.215-216
発行日 2013年4月5日
Published Date 2013/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103142
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1 概念・病因
特発性腎出血は,通常の泌尿器科検査を行ってもその原因のつかめない腎からの出血の総称で,通常,除外診断で診断される症候群である1)。いわゆる特発性腎出血には日本泌尿器科学会の『血尿診断ガイドライン』では,ナッツクラッカー症候群も含まれており,本稿では成人の特発性腎出血としてナッツクラッカー症候群およびbenign lateralizing haematuria(chronic unilateral hematuria, lateralizing essential hematuria)と呼ばれる原因不明の上部尿路出血の2つにつきまとめた。ナッツクラッカー症候群は左腎静脈が腹部大動脈とその腹側を走る上腸間膜動脈の間に挟まれ,左腎静脈の灌流障害による左腎静脈内圧の上昇に伴って起こる血尿や疼痛などを伴う症候群である2)。
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