特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅱ 疾患・病態の診療
5 腎疾患
腎性高血圧と腎血管性病変
071 腎血管性高血圧と腎動脈狭窄
森田 研
1
1北海道大学病院泌尿器科
pp.209-212
発行日 2013年4月5日
Published Date 2013/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103140
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
1 概念・病因
腎血管性高血圧は,腎動脈や細動脈レベルの狭窄によりもたらされる高血圧であり,本稿では主な成因である腎動脈狭窄とともに論じた。腎血管性高血圧の頻度は高血圧全体の1%以下であり,そのほとんどを占める本態性高血圧とは疫学的背景が異なり,診断,治療法も異なる疾患である。腎動脈起始部から分枝,分岐以下,末しょう側の動脈狭窄や,細動脈の狭窄により傍糸球体装置の虚血,レニン分泌亢進が起こり,腎静脈からレニンが還流されて血圧上昇をきたす。稀に腎実質の梗塞による萎縮部位から残存した腎皮質組織のレニン分泌亢進が起こり,明らかな腎動脈狭窄が認められない場合がある。
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.