特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅱ 疾患・病態の診療
5 腎疾患
腎不全
070 急性腎不全
米山 高弘
1
,
盛 和行
1
,
大山 力
1
1弘前大学大学院医学研究科泌尿器科学講座
pp.207-208
発行日 2013年4月5日
Published Date 2013/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103139
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1 概念・病因
急性腎不全(ARF)は,急激な腎機能の低下の結果,体液の恒常性が維持できなくなった状態と定義される。近年,急性の腎障害は,軽度であっても生命予後に重要な因子であることが認識され,急性腎障害という名称が普及しつつある1)。今回は,従来の明らかに腎機能が不全状態を示すARFにつき解説する。
ARFには,乏尿性ARFと非乏尿性ARFがある。通常経験する乏尿性ARFは血清クレアチニンが0.3~0.5mg/dl/日ずつ上昇することが多い。一方,非乏尿性ARFでは,血清クレアチニンの上昇にもかかわらず1日尿量が500ml以上に保たれており,病態を見逃して治療が遅れる場合があるので注意が必要である。
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