特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅱ 疾患・病態の診療
4 尿路・性器の感染症
非特異的感染症
058 亀頭包皮炎
田中 一志
1
,
藤澤 正人
1
1神戸大学大学院医学研究科外科系講座腎泌尿器科学分野泌尿器先端医療開発学部門
pp.168-169
発行日 2013年4月5日
Published Date 2013/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103127
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1 概念・病因
亀頭炎は亀頭に生じた炎症性の異常所見を指す。包茎の患者で包皮まで炎症が波及したものが亀頭包皮炎である。小児では主たる原因は細菌感染である。成人では,間擦疹,接触性皮膚炎,ズボンのチャックなどによる外傷,カンジダおよび細菌感染などが主な原因であるが,カンジダを含む感染症が最も頻度が高い。また特殊な病態として形質細胞亀頭炎(Zoon亀頭炎),閉塞性乾燥性亀頭炎がある1,2)。感染症ではカンジダの頻度が最も高く3),そのリスク因子として,糖尿病,免疫抑制状態,包茎が挙げられる。包茎は亀頭包皮炎の主な罹患因子の1つであるが,さらに,不適切な陰部洗浄,恥垢の溜まり,真性包茎などがその要因になる。
Lisboaらは75人の培養検査を施行した亀頭包皮炎患者の検討を行い,その結果,図1に示すように感染性亀頭包皮炎では真菌性(カンジダ性)が最も多かったと報告している4)。表1にその内訳を示す。細菌ではStreptococcus spp.,Staphylococcus spp. を多く認めている。
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