特集 外来診療・小外科マニュアル
Ⅶ.尿路・性器
80.亀頭包皮炎
谷風 三郎
1
Saburo TANIKAZE
1
1兵庫県立こども病院泌尿器科
pp.217
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902957
- 有料閲覧
- 文献概要
疾患の概念
亀頭包皮炎は,亀頭が完全に露出している状態ではほとんど生じない.そのため,成人では仮性包茎で包皮内を清潔に保てない人や,常に包茎の状態にある小児がほとんどである.特に包皮輪が狭小で亀頭の露出が困難な場合や,包皮と冠状溝周囲が癒着し恥垢がたまったようなときに生じることが多い.症状は包皮先端の発赤と疼痛が主たるもので,包皮を無理に翻転すると膿様の分泌物や付着物が観察される.起炎菌は大腸菌など常在菌のことが多い.1歳未満の乳児では尿道炎や膀胱炎,時には腎盂炎まで進展することがあり,膀胱尿管逆流症など他の疾患と紛らわしいことがある.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.