特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅱ 疾患・病態の診療
1 先天性疾患および小児泌尿器科疾患
尿管の先天異常
029 尿管瘤
河内 明宏
1
1京都府立医科大学泌尿器科
pp.88-90
発行日 2013年4月5日
Published Date 2013/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103098
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1 概念・病因
尿管の遠位端が囊状に拡張した状態を尿管瘤(ureterocele)という。膀胱内に存在する場合(intravesical ureteroceleまたはsimple ureterocele)と拡張部が膀胱頸部や尿道まで広がっている場合(extravesical ureteroceleまたはectopic ureterocele)がある。また,単一尿管に発生する場合と重複腎盂尿管の上半腎所属尿管に発生する場合がある。
その発生の機序は,以前は胎生期の尿管口にある膜(Chwalle's membrane)が開口しないことが原因と考えられてきた。しかし最近は尿管芽につながるcommon nephric ductの不全な拡張が原因と推測されている1)。
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