シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Application編
男性不妊症
山岡 和子
1
,
神辺 眞之
2
Kazuko YAMAOKA
1
,
Masayuki KANBE
2
1広島大学附属病院検査部
2広島大医学部臨床検査医学
キーワード:
AZF
,
RBM
,
YRRM
,
DAZ
Keyword:
AZF
,
RBM
,
YRRM
,
DAZ
pp.329-336
発行日 1998年3月15日
Published Date 1998/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903683
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はじめに
男性不妊症の病因には,精子形成障害,精子輸送路通過障害,副性器感染症および性機能障害に大別される.この中で精子形成障害によるものが不妊症の病因の93.6%を占め,そのうちの特発性精子形成障害が男性不妊症の原因の半数以上を占めている1)が,その病因,病態はほとんどわかっていない.
最近,Y染色体上の精子形成にかかわる遺伝子が,一部の無精子症患者に欠失していることが判明し2),Y染色体の長腕に存在するAZF (azoospermic fac-tor)の欠失部位と特発性精子形成障害との関係の研究が盛んに行われているが2~4),まだAZF遺伝子部位は明らかになっていない.本稿では,AZFが存在すると言われているY染色体の長腕Yq11の部位の欠失(microdeletion)の検査法および最近の話題について紹介する.
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