特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅰ 症状・徴候からのアプローチ
疼痛
018 仙痛発作
磯谷 周治
1
1帝京大学医学部泌尿器科
pp.59-61
発行日 2013年4月5日
Published Date 2013/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103086
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1 定 義
日常診療において,腰背部の仙痛発作はよく遭遇する症候の1つである。仙痛発作とは,突発的に始まり強さを増し,やがて徐々に軽減し消失する痛みと定義される。痛みの位置は病変部位と同じであることが多いが,稀に放散痛として他部位に痛みを認めることもある。仙痛は大きく分けて,胃仙痛(gastric colic pain),胆道仙痛(biliary colic pain),腸仙痛(intestinal colic pain),腎仙痛(nephric colic pain),子宮仙痛(uterine colic pain)などに分類され,それぞれ病変部位に対応した痛みの場所が存在する1~3)。管腔臓器の攣縮(特に平滑筋壁)が仙痛の原因とされ,痛みの程度は非常に強く,尿管結石の場合は「背中を,焼け火箸で刺されたような」と形容される痛みが代表的である。本稿では腰部の仙痛発作をきたす疾患のうち,特に尿管結石について腎泌尿器科系の診断の進め方と初期治療を解説する。
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