Japanese
English
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腹部仙痛発作を主訴とした高度なる腰部位置異常腎の1例
A CASE OF LUMBAL DYSTOPIC KIDNEY COMPLAINED OF ABDOMINAL COLIC
田林 綱太
1
,
細谷 賢次
1
,
長嶺 禎美
1
,
山本 秋次
1
Tsunao TABAYASHI
1
,
Kenji HOSOYA
1
,
Yoshimi NAGAMINE
1
,
Akiji YAMAMOTO
1
1東京医科大学泌尿器科教室
1Urological Room of Tokyo Medical College
pp.39-44
発行日 1960年1月1日
Published Date 1960/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202740
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緒言
腰部位置異常腎は腎の廻転ならびに上昇不全のために起る奇型腎であるが,なかでも骨盤腎は比較的稀有に属する。その発現には種々の因子が関与するところから甚だ複雑であり,従つてその解明も容易ではない。すなわち物理学的,生物学的因子などの交錯によつて生ずるものである。今度著者等は非常に変つたピエログラムを呈し,かつ腹部大動脈分岐部に附着状の骨盤腎を経験した。腹部腎は比較的多いもので解剖学的には0.3〜0.4%であると記載されている。その腎奇型分野において占める百分率は,BudapestのHermanは19%であるといい,本邦の高橋(明),市川氏等は20%であるという。すなわち本邦にては高橋(明)氏等の6例,山田,柳井氏等の3例などの報告がある。本例はそれらの文献に見る症例に比較して,その程度さらに高度なものであり,また症状も著明である。ここに報告して各位の示教を仰ぐ次第である。
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