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綜説
男性不妊症における幹細胞研究の現況と展望
The overview of present status and prospect of stem cell research for male infertility
中島 耕一
1
,
小林 秀行
1
,
永尾 光一
1
Kouichi Nakajima
1
,
Hideyuki Kobayashi
1
,
Kouichi Nagao
1
1東邦大学医学部泌尿器科学講座
キーワード:
男性不妊症
,
胎児性幹細胞
,
多能性幹細胞
Keyword:
男性不妊症
,
胎児性幹細胞
,
多能性幹細胞
pp.285-290
発行日 2012年4月20日
Published Date 2012/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102776
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要旨 幹細胞はさまざまな臓器への分化能と自己再生能を併せ持っている。このため再生医学においてはきわめて重要な鍵を握っている。幹細胞にはいくつかのタイプがある。胎児性幹細胞(embryonic stem cell:ES cell)は分化万能性を有し研究には有用であるが,受精卵を材料に用いるため,その作製には倫理的な問題がつきまとう。こうした流れの中で,多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell:iPS cell)や成体幹細胞(adult stem cell)が確立されてきた。泌尿器領域においても,尿失禁,勃起障害,腎・膀胱の再生など応用の見込まれる疾患が存在している。本稿においては,男性不妊症に対する幹細胞の応用について概説したい。幹細胞の研究は,男性不妊症の理解を深め治療に応用できるものと考えている。
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