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特集 泌尿器科ベッドサイドマニュアル
Ⅵ 術式別にみた術前・術後管理
067 新膀胱造設術の周術期管理
Perioperative management of orthotopic bladder substitute
戸邉 豊総
1
,
関山 和弥
1
,
貝淵 俊光
1
Toyofusa Tobe
1
,
Kazuya Sekiyama
1
,
Toshimitsu Kaibuchi
1
1済生会宇都宮病院泌尿器科
pp.363-368
発行日 2012年4月5日
Published Date 2012/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102744
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[1]はじめに
自然排尿型の腸管利用新膀胱が発表されてから,ほぼ四半世紀が過ぎようとしている。その間に新膀胱の術式もさまざまなものが報告され日々進化してきた。しかしながら,このような状況においてもHautmann法とStuder法は普遍的であり,現在最も多くの施設で施行されている。最近では,新膀胱における長期的な成績も報告されている1,2)。新膀胱作製においては手技のノウハウも蓄積され,世界的にみても大学病院レベルの病院であれば,尿路変向として新膀胱は約半数の患者に施行されているのが現状である3)。すなわち,本術式は,試行錯誤の段階から成熟の段階に入ったと言っても過言ではない。しかしながら,本術式は周術期および術後合併症のリスクは決して低くはなく2),そのため,本邦における一般病院レベルでは,いまだに回腸導管に取って代わったとは言い難い。これは,新膀胱作製の手技は理解しても,実際の周術期管理,排尿リハビリテーションを含めたアフターケアについての知見が,いまだに十分に認識されていないためではないかとも考えられる。当院では,患者の適応があれば積極的に新膀胱を施行しており,その成績は良好である4)。その際,われわれが新膀胱作製のためのポイントとしているのは,①Studer法による簡便で安定した手術手技,②コメディカルを含めたチームでの術前,術後の患者管理を標準化していることである。手術手技については,前述しているので5),本項では,われわれの周術期管理におけるその具体的な方法について述べる。
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