珍しい外陰部疾患・8
陰茎癌,陰囊癌
三木 誠
1
1東京医科大学
pp.188-189
発行日 2012年3月20日
Published Date 2012/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102628
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陰茎癌(penile carcinoma)
わが国の陰茎癌は,男性悪性腫瘍の1%以下と稀な疾患である。古くから包茎の人に発生しやすいといわれ,事実,宗教上の理由で割礼の習慣のある人々にはほとんどみられていない。欧米の陰茎癌発症率は成人男性の癌全体の1%未満であるが,アフリカやアジアでは10%を占める国もある。発癌にはいくつかの危険因子が関与していると考えられ,真性包茎,包皮の未切除,衛生不良,喫煙,複数の相手との性行為,性器疣贅,STDの既往などが指摘されている。
ところで,陰茎癌のヒトパピローマウイルス(HPV)感染は30~80%に認められることがわかり(湯村 寧,他:泌尿紀要55:671-675,2009/J Clinical Pathology 62:870-878,2009),女性の子宮頸癌などと同様に注目されている。
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