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編集後記
郡 健二郎
pp.1056
発行日 2011年12月20日
Published Date 2011/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102577
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「科研費申請書の書き方」をテーマに,大学や学会で今秋セミナーをする機会をいただいた。3年前に科研費の応募資格が拡大され,必ずしも大学の常勤医でなくとも申請が可能になったこともあり,昨年度は,泌尿器科医の約10%もの方々が申請をしている。セミナーの内容は,秘したこつが特段あるわけでもないが,論文の書き方とも共通した点があるので,その一部をご紹介したい。
申請書を書く前の心構えとして,私は教室の先生に「2つの研究サイクル」の話をしている。1つは,自分自身の研究は,先輩の業績・指導・研究費によりなし得たもので,その恩恵を後輩に継承していくサイクルであること。2つ目は,研究成果→論文(業績)→助成金(研究費)→研究成果のサイクルである。このサイクルの中で何がスタートか? 多くのケースでは,先輩が獲得した助成金である。最近,論文を書かない風潮がさらに進んでいるが,このことは,ひいては後輩を路頭に迷わせることにつながるものである。この「2つの研究サイクル」を意識しなければ,助成金の獲得は難しいと思う。
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