小さな工夫
巨大腎囊胞に対する持続吸引ドレナージによる治療
飯尾 浩之
1
,
西田 智保
1
1愛媛大学大学院医学系研究科泌尿器制御学分野
pp.1044-1045
発行日 2011年12月20日
Published Date 2011/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102568
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腎囊胞は腎実質の一部に囊胞が生じた状態で,無症状であれば経過観察するのが一般的である。囊胞による圧迫症状,高血圧,尿路閉塞などがあれば治療対象となり,治療は経皮的穿刺による吸引固定,再発予防のための純アルコールやミノマイシン注入を行うのが一般的である。今回,巨大な腎囊胞に対し有効であると思われる持続吸引ドレナージについて症例を提示して紹介する。
61歳女性。高血圧,腹部の圧迫感,頻尿を認め,腹部造影CTで左腎に腎と連続する220×115mmの囊胞性病変を認めた(図1)。充実性病変や造影効果を認めないことより単純性腎囊胞と診断した。囊胞が巨大なため,純アルコール注入や,ミノマイシン注入は効果や副作用に難があると判断し,エコー,透視下にドレナージし,持続吸引する方針とした。腹臥位でエコーガイド下に腎囊胞を穿刺した。ガイドワイヤーを挿入,ダイレーターで16Frまで拡張した後,14Fr Peel-Away Sheath(Cook Medical社,Bloomington,USA)を挿入,内筒を抜去して10FrのJackson-Pratt(JP)drain(Cardinal Health社,Illinois,USA)を留置した。
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