書評
「感染症のコントラバーシー―臨床上のリアルな問題の多くは即答できない」―Fong, I. W. 著/岩田健太郎 監訳
名郷 直樹
1
1武蔵国分寺公園クリニック
pp.880
発行日 2011年10月20日
Published Date 2011/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102521
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
岩田健太郎氏が監訳を担当された『Emerging Issues and Controversies in Infectious Disease』の翻訳である。それだけ紹介しておけば,もうこれは読むしかないという人も多いだろう。そこで私が追加できることはなにか,と自問しながら,この本について書く。
中耳炎や副鼻腔炎,呼吸器関連感染症,敗血症,偽膜性腸炎など,ありふれた問題に対する問題が,わかりやすくというか,わかりにくくというか,まとめられている。忙しい外来中や病棟でこの本を参照したりすると,ポイントだけを明確に書いてほしいと,文句を言いたくなるような本である。しかし,本書は臨床現場でどうすればいいのか参照するために書かれた本ではない。時間があるときにじっくり読む本である。
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.