特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法
Ⅲ 体外衝撃波砕石術(ESWL)
055 ワーファリン服用中でも問題ないか
戸邉 武蔵
1
,
佐藤 嘉一
1
,
中嶋 久雄
1
,
丹田 均
1
Musashi Tobe
1
,
Yoshikazu Sato
1
,
Hisao Nakajima
1
,
Hitoshi Tanda
1
1三樹会病院泌尿器科
pp.158-159
発行日 2011年4月5日
Published Date 2011/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102302
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Q ワーファリン服用中の症例。出血を危惧して,ESWLを行うべきかどうか悩んでいる。術前へパリン化を行えば,ESWLを施行しても問題ないか。
[1]概 説
SWL(shock wave lithotripsy)は比較的低侵襲な手術とされているが,合併症として,血尿・皮下出血・腎被膜下血腫・発熱・尿溢流・腸管損傷などが報告されている。このうち,血尿・皮下出血・腎被膜下血腫などの出血系合併症は,出血傾向を有する症例において起こりやすいと考えられ,制御不能な出血をきたした場合,生命に危険を及ぼすおそれがあり,腎摘除術を余儀なくされた症例も報告されている1)。
心房細動・人工弁置換術後・心筋梗塞・脳梗塞・深部静脈血栓症などで,ワーファリンなどの抗凝固薬を内服中の場合,凝固機能が低下しており出血傾向を有するため,SWLに伴う出血系合併症のリスクが高まるが,過去の報告や筆者らの経験上,適切な前処置を施行すれば,比較的安全にSWLを施行することができると考える2~7)。
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