特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法
Ⅱ 体腔鏡下手術
■腹腔鏡下腎部分切除術
028 腫瘍摘出部の縫合がうまくいかない
繁田 正信
1
,
甲田 俊太郎
1
,
後藤 景介
1
Masanobu Shigeta
1
,
Shuntaro Kouda
1
,
Keisuke Goto
1
1国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター泌尿器科
pp.88-89
発行日 2011年4月5日
Published Date 2011/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102274
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Q 腹腔鏡下腎部分切除術を開始した症例。マイクロ波凝固装置を使用せず,腎茎部をクランプしたのちに腫瘍を摘出した。摘出はうまくいったが,腫瘍摘出部の縫合に難渋している。
[1]概 説
術前に腹腔鏡下の縫合基本手技をドライボックスや大型動物などで習熟しておくことは言うまでもない。しかし,実際の腎部分切除術の際,腫瘍の場所や大きさ,深さが症例によってすべて異なるため,想像以上に縫合が困難なことも多い。腫瘍摘除後の縫合も視野に入れて運針のスペースを確保するとともに,少しでも縫合しやすい位置へ縫合面を移動できるように腫瘍および腎周囲の剝離を行い,縫合が容易になる切除を行わないと,本件のように,縫合困難が生じる。
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