小さな工夫
手術台固定型開創器使用時におけるスパーテルを用いた術野展開の工夫
貫井 昭徳
1
,
森田 辰男
1
1自治医科大学腎泌尿器外科学講座
pp.520-521
発行日 2010年6月20日
Published Date 2010/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102074
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オムニトラクトリトラクター®やグレイマルチフレックスリトラクター®などの手術台固定型開創器はアームの角度が自在に調節できることや,さまざまなブレードが選択できることにより,患者の体型・手術創の大きさ・術野の深さ・周囲臓器の状況などに合わせた牽引ができるという特徴を持っている1)。これらの使用により効率よく術野を展開できるため,少人数での開腹手術にも有用である。
付属のブレードにはさまざまな形状のものがあるが,深い術野を展開するときには,ブレードの先端を十分に効かせて引く必要が生じる場合がある。ところが既製品の多くはブレードが硬く,先端を曲げることができず,ブレード長も一定であるため,深い術野の展開に難渋することがある。このようなとき,われわれはスパーテルの先端を術野の深さに合わせて曲げ,これをブレードやアームに布鉗子で固定し,術野を展開していた(図1a,b)。この方法でもスパーテルの固定性は良好であるが,スパーテルの微調整ができず,適切な術野の展開が不可能な場合も多かった。
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