Japanese
English
装置と方法
閉胸犬における簡便な冠動脈閉塞法について
Simple technlque for coronary occlusion in closed-chest dog
秋月 哲史
1
Satoshi Akizuki
1
1南アラバマ大学生理学教室
1Department of Physiology, College of Medicine, University of South Alabama
pp.921-924
発行日 1984年9月15日
Published Date 1984/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204510
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急性心筋梗塞症の梗塞範囲は,予後を決定する重大因子の1つである1)。多数の研究者2〜6)が,梗塞範囲の縮小を試み,この分野の研究は今後も幅広くおこなわれるであろう。動物実験をおこなうに際し,虚血心の作製は必須のものである。冠動脈の直接結紮法7〜9)とX線透視下で選択的に冠動脈にカテーテルを挿入し閉塞する10,11),2つの方法が用いられている。前者は特殊な装置を必要とせず,確実にできるためもっとも広く用いられている。しかし,開胸をし心膜切閉,冠動脈剥離を余儀なくされるため,手術自体による血行動態への非生理的影響12)は避けられない。一方,後者は比較的高価な設備を要し,すべての研究施設で可能な方法とは言えない。
X線透視装置なしに実験犬に冠動脈閉塞を作製する目的で,Downeyら13,14)が考案したカニューレは,多くの研究者に用いられてよいものと考えられるので,ここに使用経験を述べたい。
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