書評
「内視鏡所見のよみ方と鑑別診断―下部消化管 第2版」―多田正大,大川清孝,三戸岡英樹,清水誠治 著
飯田 三雄
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1九州大学大学院・病態機能内科学
pp.493
発行日 2009年6月20日
Published Date 2009/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101763
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このたび医学書院から『内視鏡所見のよみ方と鑑別診断―下部消化管第2版』が発刊された。多くの内視鏡医から好評を博した初版の上梓から約7年がたち,企画の意図は初版のまま,時代の進歩に即した内容の充実が図られている。その結果,初版より掲載症例と写真は大幅に増加し,頁数も約1.7倍に増えているが,日常臨床の現場で容易に活用できるサイズは維持されており,初版以上の売れ行きを示すことは間違いないであろう。
本書の執筆者は,いずれもわが国を代表する消化管形態診断学のエキスパートであり,東京で毎月開催される早期胃癌研究会の運営委員やその機関誌である雑誌「胃と腸」の編集委員を歴任してこられた方々である。そのため,本書は「胃と腸」誌と基本的には同様の方針で編集されている。すなわち,掲載された内視鏡写真に限らず,内視鏡所見の成り立ちを説明するために呈示されたX線写真や病理写真に至るまですべて良質な画像が厳選されており,“実証主義の立場から消化管の形態診断学を追求する”という「胃と腸」誌の基本理念が貫かれている。
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