書評
「細胞診セルフアセスメント(増補版)」―坂本穆彦,都竹正文 編/坂本穆彦,都竹正文,古田則行,星 利良 執筆
伊藤 仁
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1東海大学医学部附属病院病理検査技術科
pp.1086
発行日 2008年12月20日
Published Date 2008/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101623
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このたび『細胞診セルフアセスメント』増補版が刊行された。本書初版は,1998年に姉妹本である『細胞診を学ぶ人のために』第3版と同時に刊行されている。『細胞診を学ぶ人のために』の多くの読者からの要望に応えるべくして生まれた一冊である。発刊から10年が経過し,細胞診の発達とともに,新しい標本作製法や診断基準などの情報を取り入れた内容となっている。
本書は細胞診スライド問題,細胞診学科問題の2部構成になっており,特に前者の246症例492枚にわたるカラー写真は,クオリティーがきわめて高く美麗であり,類書を圧倒する内容である。また,5肢択一の問題形式に設定されており,見開き1ページごとに,次ページに解答および症例の特徴的所見についての詳細なコメントが添えられている。細胞診の判定能力,知識のセルフアセスメント(自己評価)に適したスタイルで構成されている。内容的にも本増補版では,新しい標本作製法であるliquid based cytology(LBC)やベセスダ分類についても補足されており,ベーシックな中にも,新しい情報が盛り込まれている。また,第2部の学科問題においても,新たな情報が取り入れられ,Up to dateされた内容となっている。
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