病気のはなし
尿路結石症
高崎 悦司
1
1獨協医科大学医学部泌尿器科
pp.1030-1036
発行日 1990年7月1日
Published Date 1990/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900311
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サマリー
尿路結石症は泌尿器科領域で最も多い疾患の一つである.成因として,カルシウム(シュウ酸塩,リン酸塩)結石は高カルシウム尿,高シュウ酸尿,高尿酸血(尿),尿中阻止因子の低下,リン酸塩結石はアルカリ尿(尿路感染),尿酸結石は高尿酸血(尿)と強酸性尿,シスチン結石はシスチン尿症が主なものとして挙げられるが,いまだわかっていない点が多い.主な症状は,側腹部から背部にかけての仙痛または鈍痛と血尿であり,診断はX線撮影で,ほとんどの結石は証明される.再発がしばしば経験されるので,結石の化学的組成に基づいて,成因に対する検索も必要である.治療方法として,自然排出不可能な大きさの結石には体外衝撃波,経皮的あるいは経尿道的砕石が行われ,開創手術はごく限られた症例のみになされる.シスチン結石,尿酸結石,一部のリン酸塩結石には,薬物による溶解も試みられる.結石除去後は再発防止への考慮を忘れてはならない.
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