交見室
直腸診(DRE)の意義
勝岡 洋治
1
1大阪医科大学泌尿器科
pp.1032
発行日 2007年11月20日
Published Date 2007/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101307
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
過日,高知県在住の開業医より当院で手術治療された親戚筋の者の病理診断の結果について問い合わせがあり,概要を説明したうえで詳細は主治医より報告させることを約束した。その際,「別件ですが」と前置きして,「最近の泌尿器科医は直腸診をしない傾向があるように見受けられるが,先生はどのように思われますか? 私は内科医ですが,年寄りの患者には直腸診を必ず行っています。これまでに数例の前立腺癌を見つけています。直腸診は専門家にとってはもはや必要な検査ではないのですか?」と問われた。
いわれてみれば私自身も思い当たるふしがある。教室員の間にもある年代以降の者たちは直腸診を省略する場合や,所見の記載がお粗末で粗雑であることに気づいていた。しごく当然のことで,直腸診が大事な検査であることに変わりはなく,専門家の間に疎んずる風潮があるとすれば由々しき事態である。
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.