小さな工夫
前立腺全摘後のカテーテル抜去困難を回避するための尿道膀胱吻合の工夫
影山 幸雄
1
,
石岡 淳一郎
1
,
東 四雄
1
1埼玉県立がんセンター泌尿器科
pp.930-931
発行日 2007年10月20日
Published Date 2007/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101285
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当院では前立腺全摘の際,肛門挙筋筋膜を含む骨盤底の筋膜構造を全体として温存する方法をとっており,手術直後の尿禁制は著しく改善している1,2)。一方で尿道膀胱吻合の縫合糸がカテーテルにからんで抜去困難となる例が少なからずあり,自然抜去まで1か月近くかかった症例もみられていた。これまでは,膀胱および尿道に縫合糸(6針)をかけた後にカテーテルを留置し,その後カテーテルを牽引しながら縫合糸を結紮する方法をとってきた。今回はカテーテル抜去困難を回避する目的で金属ブジーの補助下に先に尿道膀胱吻合を行い,その後にフォーリーカテーテルを挿入留置する方法を採用し,良好な結果を得たので紹介する。
まず膀胱尿道に縫合糸(6針)をかけ,カテーテルを入れない状況で5時,7時を縫合,その後尿道より金属ブジーを挿入して3時,9時,1時,11時の糸を順次縫合する(図1)。その後金属ブジーは抜去し,尿道から18Frのフォーリーカテーテルを挿入留置する(図2)。
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