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編集後記
郡 健二郎
pp.852
発行日 2007年9月20日
Published Date 2007/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101273
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司馬遼太郎さんの中学時代の作文が,当時通った学校の図書館から見つかった(産經新聞7月29日)。自宅の物干し台から見た風景を作品にしたものだが,優れた観察力と豊かな表現力をもってすれば,何げない風景でもこんなに描けるのかと感心させられた。文才は天性のものだとつくづく思う。
その司馬さんは,「文明」のことを「簡単なとりきめでだけで,万人が参加できて,しかも便利であるもの」と書いている(文芸春秋)。「文明」と「文化」の違いは,カップ麺とラーメン屋にたとえられることがある。お湯をかけて何分間か待てば,多くの人が同じ味,同じ便利さを味わえるカップ麺は「文明」であり,ラーメンの味は,地方により店により,調理法も味も異なることから「文化」になるのだろう。
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