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編集後記
郡 健二郎
pp.264
発行日 2008年3月20日
Published Date 2008/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101373
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木枯らしが拭い去った冬の夜空が美しい季節です。乾燥して澄みきった空気に,冴えた星の光が鋭くきらめいています。4年前,郊外に転居したとき,冬の星がこんなに多いものかと驚きました。大きな建物や強いネオンの夜光がないためでしょう。坂本九さんの「見上げてごらん夜の星を」をつい口ずさみ,名もない小さな星を数えていました。冬空の代表であるオリオン座の三つ星,その南北に三つ星を見守るようにして輝く一等星のリゲルとベテルギウス,その東には,おおいぬ座のシリウスが冬空の「寒星」として青白い光を強く放っています。
これら星の名前の語源は,ギリシャ語,アラビア語,ラテン語です。古代の人たちがロマンを抱いて,注意深く星を観察した姿が浮かんできます。これらの地域で生まれた文化の特徴は,鋭い観察力と洞察力と独創性から生まれた,現代まで受けつがれている普遍的な発見が多いことです。現代人が失いかけている夢と倫理性もみられます。
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