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特集 性感染症の現状
多剤耐性淋菌感染症の治療
Treatment of multidrug resistant Neisseria gonorrhoeae
安田 満
1
Mitsuru Yasuda
1
1岐阜大学医学部附属病院泌尿器科
キーワード:
多剤耐性淋菌
,
セフェム系注射薬
,
多剤併用療法
Keyword:
多剤耐性淋菌
,
セフェム系注射薬
,
多剤併用療法
pp.773-779
発行日 2007年9月20日
Published Date 2007/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101261
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要旨 淋菌感染症は最近増加傾向に歯止めがかかっているが,依然として高い水準にある。現在ペニシリン系薬,テトラサイクリン系薬,ニューキノロン系薬に対してほとんどが耐性を示す。したがってほとんどの株が多剤耐性菌といえる。さらに経口セフェム系薬に対する耐性株が増加しつつある。現在のところガイドラインに示されているceftriaxone(CTRX),cefedizime(CDZM)あるいはspectinomycin(SPCM)の単回療法は多剤耐性淋菌に対しても有効である。しかしSPCMは咽頭への移行が悪く咽頭感染には使用できない。CDZMおよびCTRXはMIC(minimal inhibitory concentration)分布が耐性側にシフトしており,今後,耐性株が出現する可能性がある。注射剤に代わり経口剤の多剤併用療法が検討されているが,in vitroの検討であり今後のさらなる検討が待たれる。
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