特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法
Ⅱ.泌尿器科手術
E.小児の手術
【精巣固定術】
106.停留精巣の手術を施行中の患者です。下ろしづらい精巣です。どのように対処すればよいでしょうか。
佐藤 裕之
1
,
浅沼 宏
1
,
實重 学
1
,
宍戸 清一郎
1
1都立清瀬小児病院泌尿器科
pp.328-332
発行日 2007年4月5日
Published Date 2007/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101183
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
標準的な鼠径部切開法による精巣固定術を施行する際に,ときに陰囊底部へと下降させることが困難な症例を経験する。また,緊張が残った状態で無理に陰囊内に固定しても術後に再挙上や萎縮の原因となってしまう。特に,精巣血管の長さに余裕のない腹腔内精巣などでは定型的に精巣動静脈および精管を剝離したあとでは,精管動脈の血流が阻害されたり精巣動脈と精管動脈間に存在する側副血行路が失われている状態となるため,Fowler-Stephens法などの対処が困難となる。このため,術前および術中の精巣・精索を確保した段階で,各症例に応じて精巣を緊張なく陰囊内に固定するための的確な対処方法が求められることになる。
本稿では,術前からの評価のポイント,精巣の下降が不良な症例における対処方法などについて述べる。
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.