特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法
Ⅱ.泌尿器科手術
D.開腹手術
■前立腺の手術
【前立腺全摘除術】
94.前立腺全摘除術を施行中の患者です。恥骨の内面が突出していて前立腺尖部の視野が不良です。手術操作にもじゃまになります。どのように対処すればよいでしょうか。
斎藤 誠一
1
1東北大学医学部泌尿器科
pp.291-294
発行日 2007年4月5日
Published Date 2007/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101171
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
前立腺尖部の処理は,前立腺全摘除術の最も重要なポイントであり1,2),恥骨結合の突出により同部が視認しにくいことや,尖部の操作性に影響が及ぶ可能性を極力排除する必要がある。しかしながら,恥骨結合の突出は術前の画像では容易に評価できず,しばしば術中に判明する3)。以前は,前立腺尖部の処理のため恥骨切除が行われたことがあるが,現在では恥骨切除が必要とされることはなく,代わりに電気メスで恥骨結合の突出を切除する,あるいは蒸散させる方法が取られるようになっている3,4)。当施設でも電気メスで切除する方法を選択しているが,そのほかに尖部をより見やすくする工夫や考え方について述べる。
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.