特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法
Ⅰ.泌尿器科処置
【カテーテル留置(尿道留置)】
14.尿道カテーテルを留置している患者です。カテーテルの脇から尿が漏れています。カテーテルのサイズを太くすることは有効でしょうか。
滋野 和志
1
1島根大学医学部泌尿器科
pp.52-53
発行日 2007年4月5日
Published Date 2007/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101090
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留置中の尿道カテーテル周囲から尿が漏れることは,ときに経験する状況である。この設問はカテーテルのサイズを太くすることにより,カテーテルと尿道の間にある隙間をなくして尿の漏れを防ぎ,またカテーテルの内腔が大きくなることによりドレナージがよくなり,カテーテル周囲からの尿漏れが減少することを期待しているものと思われる。
尿道カテーテルの周囲から尿が漏れるときには,カテーテルの閉塞などによりドレナージが不良な場合と,ドレナージには問題がない場合がある。カテーテルが閉塞していないのに周囲より尿が漏れる場合には,膀胱の無抑制収縮やテネスムスなどの排尿筋過活動が考えられる。日常,問題となるのはこのような場合が多く,本設問もこのような状況下で発せられたものと想定される。排尿筋過活動はカテーテル留置そのものによる刺激が原因となり得るが,尿路感染や膀胱結石などの合併も考慮する必要がある。
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