特集 前立腺疾患のすべて
Ⅴ 前立腺疾患のトピックス
前立腺癌と遺伝子
溝上 敦
1
Atsushi Mizogami
1
1金沢大学大学院医学系研究科泌尿器科
pp.305-309
発行日 2003年4月5日
Published Date 2003/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100873
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1 はじめに
前立腺癌は組織学的に非常に多様性のある癌で,同一患者でも様々な分化度,組織型をもった細胞が混在している。したがって前立腺癌に関与する遺伝子について考える場合,多くの発癌遺伝子や癌抑制遺伝の関与を考慮しなければならないが,同一患者でもその組織型に応じて異なった遺伝子が働いていると考えられる。さらに,前立腺癌の浸潤・転移は多くの過程を経て成立するので,そこでも様々な遺伝子が関与していることが容易に推測できる。したがって,前立腺癌においてある特定の遺伝子のみについて述べることは無理があるが,前立腺癌との関連で(発癌機構,転移機構については別項で詳しく記載されているので,)個人的に興味のあるいくつかの遺伝子について述べたいと思う。
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