学会報告
第3回国際失禁会議(ICI)報告
本間 之夫
1
1日本赤十字社医療センター泌尿器科
pp.799-802
発行日 2004年9月20日
Published Date 2004/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100615
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はじめに
2004年6月26日から29日の間,モナコにて第3回国際失禁会議(International Consultation on Incontinence:ICI)が行われた。この会議は,診療・研究・政策で活用すべき失禁に関した最新の学術的な成果を要約することが使命である。実際には,理事会(executive committee)で委員会の構成を定めて各委員長に諮問し,委員長は10人以下の委員で質疑した結果を要約し全体会議で全委員(他の委員会の委員を含む)の前で報告する形をとる。その質疑に当たっては,EBM(evidence-based medicine)の考え方に則り,今ある証拠を吟味し,その証拠の高さ(level of evidence)によって推薦の程度を定める手法を基本としている。
第1回ICIは1998年にモナコで,第2回ICIは2001年にパリで行われた。この間,内容は尿失禁から便失禁,更には脱や間質性膀胱炎と尿失禁に関連して起こる状態や境界領域を含め,下部尿路機能障害全体に広がりつつある。具体的な委員会の構成は表を参考にされたい。小生は過去の2回はurodynamicsの委員会の委員長として参加し,今回は理事会の一員として参画している。以下に,今回の会議の概要をお伝えしたい。
なお,今回の会議の名誉会長であるTurner-Warwickは尿流動態検査の開発に大きく貢献し,下部尿路の形成外科の大家でもある。会議中は,やや老害気味だがご愛嬌の範囲の発言をしていた。
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