特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方
8.そのほか
【ストーマ周囲炎】
95.難治な回腸導管のストーマ周囲炎の患者です。対処と処方について教えて下さい。
橋本 博
1
1旭川医科大学泌尿器科
pp.341-343
発行日 2005年4月5日
Published Date 2005/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100303
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1 診療の概要
回腸導管のストーマ周囲炎は予防が第一の目標であり,専門ナースも交えた日頃の観察と患者指導が重要である。いったん起きてしまったときにも,速やかに適切な治療を施すと治癒も容易なため,どのような点に注意して観察するかを患者に十分に指導しておく必要がある。これら予防と早期の治療のためにはストーマ周囲炎の病態と原因をよく知り,それに応じた適切な対策を講じなければならない。本稿では難治な回腸導管のストーマ周囲炎について述べることになっているが,難治と思われている症例のなかにはストーマ周囲炎の原因が誤って認識されたり,漫然と同じ治療が続けられたりしている場合が少なくないのではないかと想像する。
主なストーマ周囲炎の原因としては,尿による接触刺激,装具の剝離刺激などの機械的刺激,皮膚保護剤へのアレルギー反応,あるいは残留による刺激,感染症などが考えられる(表1)1)。日頃からこのようなことが起きないようなストーマケアが必要である。上述のように,難治性皮膚炎と思われる場合にも,原因を明らかにして適切に対応すれば速やかに治癒することもある。しばしばステロイド外用薬が処方されるが,原因を取り除かなければ無効であるし,原因によっては悪化させてしまうこともあるので注意が必要である。
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