Japanese
English
今月の主題 知っておきたいまれな大腸良性疾患
主題症例
pyogenic granuloma
Pyogenic Granuloma
大庭 宏子
1
,
大川 清孝
1
,
焦 光裕
1
,
小野 洋嗣
1
,
宮野 正人
1
,
上田 渉
1
,
山口 誓子
1
,
青木 哲哉
1
,
倉井 修
1
,
小野寺 正征
2
Hiroko Ohba
1
1大阪市立十三市民病院消化器内科
2市立川西病院病理診断科
キーワード:
pyogenic granuloma
,
大腸腫瘍
Keyword:
pyogenic granuloma
,
大腸腫瘍
pp.816-818
発行日 2017年5月25日
Published Date 2017/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201086
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疾患の概念
pyogenic granulomaは1897年にPoncetとDor1)により初めて報告された疾患で,化膿性肉芽腫,膿原性肉芽腫,肉芽組織型血管腫,lobular capillary hemangioma2)3)などとも呼ばれている.皮膚および粘膜の結合織に由来する隆起性の肉芽様病変で,皮膚科・口腔外科領域ではしばしば報告されている疾患である.
一般にpyogenic granulomaは,乳幼児より高齢者に至るまで幅広い年齢層に発症し,発生頻度の差異はみられない.性差はないが,妊婦の歯肉に発生するgranuloma gravidarumも病理学的には同型であることから,本疾患の発生に女性ホルモンの関与を示唆する報告もみられる4).成因としては感染,外傷,慢性刺激など局所因子が原因と言われている.消化管での報告は食道の報告が多いが,大腸の報告はまれである.医学中央雑誌にて検索しえた範囲では2016年までに大腸の報告例は自験例を含めて26例であった.大腸の症例は血便,貧血などの症状で発見されることが多い.
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