Japanese
English
今月の主題 知っておきたい特殊な食道腫瘍・腫瘍様病変
症例アトラス
食道pyogenic granulomaの1例
Pyogenic Granuloma of the Esophagus
門馬 久美子
1
,
前田 有紀
1
,
梶原 有史
2
,
堀口 慎一郎
3
,
比島 恒和
3
Kumiko Momma
1
1がん・感染症センター都立駒込病院内視鏡科
2がん・感染症センター都立駒込病院消化器内科
3がん・感染症センター都立駒込病院病理科
キーワード:
食道pyogenic granuloma
,
血管腫
,
食道良性腫瘍
,
内視鏡診断
,
内視鏡治療
Keyword:
食道pyogenic granuloma
,
血管腫
,
食道良性腫瘍
,
内視鏡診断
,
内視鏡治療
pp.1452-1456
発行日 2019年9月25日
Published Date 2019/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201848
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はじめに
pyogenic granuloma(化膿性肉芽腫)は,皮膚や口腔粘膜に好発する易出血性の良性腫瘍であり1),1897年にPoncetとDor2)により初めて報告された疾患である.皮膚および粘膜の結合織に由来する隆起性の肉芽腫性病変であり,後天的に血管腫が発生し,その後,二次的な炎症を合併し肉芽腫を形成する3)と考えられている.皮膚や粘膜に多いため,外傷,慢性刺激,感染など局所因子の関与が考えられているが4),妊婦の歯肉に好発するpregnancy tumorと病理学的特徴が一致することから,エストロゲンの関与を示唆する報告もある5).消化管領域での発生は極めてまれであるが,消化管の中では食道が一番多く,次いで小腸,大腸,胃,十二指腸と続く6)とされており,白苔を有する有茎〜亜有茎性の隆起を示すことが内視鏡像の特徴とされている.
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