Japanese
English
症例報告
有棘細胞癌との鑑別を要した皮膚白血病の1例
A case of leukemia cutis mimicking squamous cell carcinoma
佐藤 友隆
1
,
永尾 圭介
1
,
松本 博子
1
,
杉浦 丹
1
Tomotaka SATO
1
,
Keisuke NAGAO
1
,
Hiroko MATSUMOTO
1
,
Makoto SUGIURA
1
1清水市立病院皮膚科
1Department of Dermatology, Shimizu City Hospital
キーワード:
皮膚白血病
,
頭部腫瘤
,
特異疹
,
有棘細胞癌
Keyword:
皮膚白血病
,
頭部腫瘤
,
特異疹
,
有棘細胞癌
pp.253-255
発行日 2002年3月1日
Published Date 2002/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903878
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76歳,男性.左側頭部の疼痛および皮疹を主訴に来院し,25mm径の腫瘤を認めた.黒色の痂皮を取り除くと,中央白色の壊死組織を付着するクレーター状の潰瘍を認めた.組織学的に表皮は不規則に延長し,真皮内に軽度の核異型を伴う有棘細胞の不整な島嶼状ないし巣状の増殖を認めた.真皮,皮下組織では円形細胞の密な浸潤を認めた.円形細胞は大小不同,核分裂像を伴った.末梢血,骨髄生検と併せて急性骨髄単球性白血病(AMML, FAB M4)の皮膚浸潤と診断した.表皮の変化は有棘細胞癌との鑑別を要したが,ケラチノサイトの異型性に乏しいこと,主病変を真皮,皮下組織に認めたことより偽癌性増殖と考えた.急激な経過をとり,化学療法開始後4日で死亡した.急激に増大する腫瘤の鑑別診断として皮膚白血病も考慮する必要がある.
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