Japanese
English
原著
抗リン脂質抗体陽性のSLE患者の臨床的検討
Clinical studies on SLE patients with antiphospholipid antibody
石黒 直子
1
,
石橋 睦子
1
,
山本 由美
1
,
有川 順子
1
,
川島 眞
1
,
内山 真一郎
2
Naoko ISHIGURO
1
,
Mutsumi ISHIBASHI
1
,
Yumi YAMAMOTO
1
,
Junko ARIKAWA
1
,
Makoto KAWASHIMA
1
,
Shinichiro UCHIYAMA
2
1東京女子医科大学皮膚科学教室
2東京女子医科大学神経内科
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University
2Department of Neurology, Tokyo Women's Medical University
キーワード:
SLE
,
抗リン脂質抗体
,
血小板・凝固系の活性化所見
,
脳梗塞
,
一過性黒内障
Keyword:
SLE
,
抗リン脂質抗体
,
血小板・凝固系の活性化所見
,
脳梗塞
,
一過性黒内障
pp.657-664
発行日 2001年8月1日
Published Date 2001/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903656
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当科通院中のSLE患者のうち,抗リン脂質抗体陽性者について検討を加えた。SLE患者12例中5例が抗リン脂質抗体陽性であり,頭痛を4例に,一過性黒内障と多発性単神経炎を各1例に認めたが,5例とも網状皮斑や潰瘍形成,血栓性静脈炎,肢端壊疽などの血栓症を思わせるような皮膚症状は認めなかった.検査所見では,血小板減少を2例に,血小板系と凝固系の活性化所見を各3例に認めた.また,MRIで脳梗塞が2例に見いだされた.以上より一過性黒内障を認めた1例と脳梗塞が確認された2例,血小板減少症と多発性単神経炎を認めた1例の計4例を抗リン脂質抗体症候群の合併と考えた.本疾患の基礎疾患として多いSLEでの抗リン脂質抗体の検索の必要性と,陽性例では十分な問診と経過観察のうえ,血小板・凝固系の検査,頭部MRI検査の結果を踏まえて,抗血栓療法を併用すべきことを強調したい.
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