Derm.2001
乾癬外来
川嶋 利瑞
1
1北海道大学皮膚粘膜病学分野
pp.188
発行日 2001年4月15日
Published Date 2001/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903580
- 有料閲覧
- 文献概要
乾癬は皮膚科医にとっては比較的commonな疾患である.研修医になって少し慣れた頃,乾癬の治療なんて簡単だと思っていた時もあった.入院してもらって,ステロイドかビタミンD3の外用剤を処方し,週3回PUVAを行うだけである.あとは,どんどん良くなっていく.処置に時間が取られる天疱瘡や,化学療法が必要な菌状息肉症などと比べると,どんなに楽なことか.
一昨年から,大学病院の乾癬外来を担当している.毎週木曜日の午後1時から約3時間の診療である.時間のわりには1日に診察する患者さんの数は決して多くはない.15人程度であるから,1時間に5人くらいしか診察できない.しかし,患者さんは皆,一筋縄ではいかない.PUVAを行いたいのだが,紫外線により乾癬の皮疹が悪化する.挙児の希望があり,エトレチナートは内服できない.カルシポトリオール軟膏でさえ,外用すると刺激感があり使えない.このような患者さんに限って,関節痛が強かったり,紅皮症に近い状態だったり,ちょっと油断すると膿疱化したりする患者さんだったりする.毎週毎週新しい薬が開発される訳もなく,カルテの名前を見ただけで,診察の前から少し気が重くなる患者さんもいる.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.