Japanese
English
症例報告
皮疹の治療中,突然重篤な呼吸障害を呈したChurg-Strauss症候群の1例
A case of Churg-Strauss syndrome that showed suddenly severe respiratory disturbance during the treatment of the eruption
北島 進司
1
,
安本 昌紀
1
,
富田 博司
2
Shinji KATAJIMA
1
,
Masaki YASUMOTO
1
,
Hiroshi TOMITA
2
1豊川市民病院皮膚科
2豊川市民病院内科
1Department of Dermatology, Toyokawa City Hospital
2Department of Internal Medicine, Toyokawa City Hospital
キーワード:
Churg-Strauss症候群
,
アレルギー性肉芽腫性血管炎
Keyword:
Churg-Strauss症候群
,
アレルギー性肉芽腫性血管炎
pp.1067-1070
発行日 2000年12月1日
Published Date 2000/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903419
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61歳,女性.気管支喘息の発作と胸部X線の浸潤影で肺炎として入院中に,両手背と両下肢に水疱と紫斑を伴う浸潤性の紅斑局面と紫紅色丘疹が散在性に生じた.皮疹の組織は,真皮全層に核破壊を伴う好中球と好酸球の密な浸潤があり,小血管のフィブリノイド壊死を伴う壊死性血管炎であった(肉芽腫は認められなかった).末梢血白血球数と好酸球数は著増し,血小板数とIgEも増加していた.退院後外来通院していたが,皮疹が増悪したため入院にてプレドニゾロンを1日30mg内服中,突然発熱と喘息発作を生じ,胸部X線上浸潤影の増強がみられ,呼吸困難を生じ意識障害を呈した.メチルプレドニゾロン(1日40mgから80mgに増量)とシクロホスファミド(1日50mg)の点滴により速やかに諸症状は軽快した.Churg-Strauss症候群では重篤な症状を呈さない場合でも,急な増悪を考え慎重な経過観察が必要と思われた.
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