Japanese
English
症例報告
蜂窩織炎様皮疹を呈した皮膚クリプトコックス症の1例
A case of cutaneous cryptococcosis presenting cellulitis-like eruption
北見 由季
1
,
島田 洋子
2
,
香川 三郎
1
,
飯島 正文
1
Yuki KITAMI
1
,
Yoko SHIMADA
2
,
Saburo KAGAWA
1
,
Masafumi IIJIMA
1
1昭和大学医学部皮膚科
2昭和大学横浜市北部病院皮膚科
1Department of Dermatology,Showa University School of Medicine
2Department of Dermatology,Showa University Northern Yokohama Hospital
キーワード:
皮膚クリプトコックス症
,
蜂窩織炎様皮疹
,
イトラコナゾール
Keyword:
皮膚クリプトコックス症
,
蜂窩織炎様皮疹
,
イトラコナゾール
pp.627-630
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100955
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69歳,男性.右前腕に虫刺症様皮疹が出現,3日後に右前腕全体が腫脹した.その約2週間後に39℃台の発熱が出現,当院救急センターを受診し,蜂窩織炎の疑いで当科に依頼された.右前腕伸側から手背にかけて,大豆大のびらんを混じる境界明瞭な紫紅色斑あり.蜂窩織炎の典型疹ではないが,抗生剤を投与され帰宅した.翌日発熱が続いたため内科に入院.抗生剤点滴で解熱したが,内科的に確定診断に至らなかった.退院後,皮疹は変化がないため当科を再受診した.右前腕伸側から手背にかけて発赤面があり内部に小膿疱,痂皮,鱗屑が散在し隆起性局面が多発していた.組織所見では真皮上層の多数の小空隙中に胞子が集簇,散在していた.PAS染色は陽性.滲出液の墨汁標本で莢膜をもつ胞子を確認した.痂皮と滲出液の真菌培養にてCryptococcus neoformansと同定した.イトラコナゾール100mg/日の内服で皮疹は著明に軽快,18週間で投与を終了,現在再燃はない.
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