Japanese
English
今月の症例
生体腎移植患者にみられた重症水痘の1例
A case of severe varicella in kidney transplant recipient
有川 順子
1
,
石黒 直子
1
,
川島 眞
1
,
石川 暢夫
2
Junko ARIKAWA
1
,
Naoko ISHIGURO
1
,
Makoto KAWASHIMA
1
,
Nobuo ISHIKAWA
2
1東京女子医科大学皮膚科学教室
2東京女子医科大学泌尿器科学教室
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University
2Department of Urology, Tokyo Women's Medical University
キーワード:
腎移植
,
水痘
,
感染症
Keyword:
腎移植
,
水痘
,
感染症
pp.597-599
発行日 1999年7月1日
Published Date 1999/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902943
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29歳,男性にみられた生体腎移植1年後に生じた水痘を報告した.移植後免疫抑制剤を内服中で,初診時ほぼ全身に水疱,血疱,紫斑が多発しており,DICと肝不全を合併していた.水疱底の擦過細胞での螢光抗体直接法にてvaricel—la-zoster virus(VZV)抗原を確認後,抗ウイルス剤,免疫グロブリンの大量投与にて全身状態は軽快し,約1か月で皮疹は略治した.移植後の水痘の合併率は0.3〜4.7%と低率だが,VZVは他のヘルペスウイルスと比較して臓器侵襲が強いため重症化しやすい.早期診断,早期治療が救命に結びつくと考えられた.
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