Japanese
English
症例報告
下肢屈曲位を長時間とった分裂病患者に発症したcoma blisterを伴う横紋筋融解症
Rhabdomyolvsis with coma blister in a schizophrenic man taking a stooping posture for a long time
佐藤 典子
1
,
谷田 宗男
2
,
高橋 祐二
3
Noriko SATO
1
,
Muneo TANITA
2
,
Yuji TAKAHASHI
3
1秋田組合総合病院皮膚科
2秋田大学医学部皮膚科学教室
3秋田大学医学部神経精神科学教室
1Department of Dermatology, Akita Kumiai Hospital
2Department of Dermatology, Akita University School of Medicine
3Department of Neuropsycology, Akita University School of Medicine
キーワード:
横紋筋融解症
,
分裂病患者
,
coma blister
Keyword:
横紋筋融解症
,
分裂病患者
,
coma blister
pp.1097-1100
発行日 1998年12月1日
Published Date 1998/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902727
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62歳,男性.分裂病で13年間少量の向精神薬内服中.トイレで1時間以上倒れていて救出された.その前に断続的ではあるが約10時間トイレにしゃがみ込んでいた.両臀部から下肢後面,外陰部の著明な発赤腫脹,水庖,びらん,潰瘍を認めた.発熱,乏尿,脱水あり.血清CPK11,803U/lと著増,血清ミオグロビン,アルドラーゼも異常高値.ミオグロブリン尿を呈し,尿細管障害を認めた.腎障害を伴う横紋筋融解症と診断し,十分な補液と抗生剤投与で臨床・検査所見は急速に改善した.脱水,創感染,発熱に加え,長時間の窮屈な姿勢によって骨格筋が圧迫を受け筋虚血が引き起こされ発症したと考えた.皮疹についても長時間の圧迫による皮膚の循環不全が関与していると推定され,coma blisterと考えた.向精神薬の過冠服用はなく,悪性症候群の特徴的症状を欠いていたが,同剤の関与も否定できない.
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