Japanese
English
症例報告
BCG接種後に生じた腋窩リンパ節腫大に対して摘出術を施行した2例
Two cases of axillary lymphnode swelling as an adverse reaction after the BCG vaccinations:Surgical excision of the lymphnodes was performed in the both cases
三井田 博
1
,
相澤 悠太
2
,
大石 智洋
2
Hiroshi MIIDA
1
,
Yuta AIZAWA
2
,
Tomohiro OISHI
2
1新潟県立新発田病院皮膚科
2新潟大学大学院医歯学総合研究科小児科学分野
1Division of Dermatology, Niigata Prefectural Shibata Hospital, Shibata, Japan
2Department of Pediatrics, Niigata University Graduate School and Dental Sciences, Niigata, Japan
キーワード:
BCG
,
副反応
,
腋窩リンパ節腫大
,
摘出術
Keyword:
BCG
,
副反応
,
腋窩リンパ節腫大
,
摘出術
pp.783-788
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204554
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要約 症例1:10か月,女児.BCG接種後に左腋窩に皮下結節が出現し,自潰,排膿がみられた.症例2:10か月,女児.同様に皮下結節が出現し,自壊,排膿はみられなかったが残存した.症例1は発症後5か月目に,症例2は3か月目に残存した皮下結節を全身麻酔下に全摘した.いずれも病理組織学的にリンパ節内に壊死を伴う類上皮細胞肉芽腫を確認でき,症例2では検体から抗酸菌培養とPCRでMycobacterium tuberculosis complexと確認された.2例とも抗結核剤の投与は行わずとも再発はなく,術創部の感染や離開などの術後合併症も生じなかった.乳児のBCGの副反応の腋窩リンパ節腫大は,大半の症例では2か月程度で自然消退するとされるが,時に自壊・排膿したり,長期に残存する例もあるため,2〜3か月程度は経過観察を行い,それでもなお消退しない場合,全身麻酔が可能であれば,外科的摘出術も選択肢の1つとしてよいと思われた.
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