Japanese
English
症例報告
インターフェロンγの長期維持療法を行った紅斑期菌状息肉症の2例
Two cases of mycosis fungoides under maintenance therapy with recombinant interferon-γ
安部 正敏
1
,
石川 治
1
,
田村 敦志
1
,
鳴岡 正利
1
,
龍崎 圭一郎
1
,
宮地 良樹
1
Masatoshi ABE
1
,
Osamu ISHIKAWA
1
,
Atsushi TAMURA
1
,
Masatoshi SHIMAOKA
1
,
Keiichirou RYUZAKI
1
,
Yoshiki MIYACHI
1
1群馬大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Gunma University School of Medicine
キーワード:
インターフェロンγ
,
紅斑期菌状息肉症
,
維持療法
Keyword:
インターフェロンγ
,
紅斑期菌状息肉症
,
維持療法
pp.967-970
発行日 1997年10月1日
Published Date 1997/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902350
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菌状息肉症の紅斑期2例に対し,1年間のインターフェロンγ200万国内標準学位の全身投与を行った.2例とも投与開始から28日間は連口投与し,その後外来通院にて週1回投与の維持療法を継続した.2例とも連日投与により皮疹はほぼ色素沈着の状態となった.維持療法中は皮疹の増悪はみられなかったが,投与中止後数週間で紅斑の再発を認めた.病理組織学的にインターフェロンγ投与後では浸潤細胞数は減少したものの,リンパ球の表皮内浸潤像は残存した.また,免疫組織化学的に投与前後での病巣リンパ球分画に有意な変化は認められなかった.末梢血リンパ球サブセットでは,投与後に1例でLeu 11が上昇したが,この他のサブセットには明らかな変動は認められなかった.以上より紅斑期菌状息肉症に対する週1回のインターフェロンγによる維持療法では十分な臨床効果が得られない可能性が示唆された.投与回数や併用療法について,新たな検討が必要であろう.
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