特集 最近のトピックス1997 Clinical Dermatology 1997
1 最近話題の皮膚疾患
Pseudolymphoma of the skin
菊池 新
1
Arata KIKUCHI
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
キーワード:
pseudolymphoma
,
遺伝子再構成
,
TUNEL法
,
悪性リンパ腫
Keyword:
pseudolymphoma
,
遺伝子再構成
,
TUNEL法
,
悪性リンパ腫
pp.33-38
発行日 1997年4月15日
Published Date 1997/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902165
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Pseudolymphomaとはリンパ節外臓器のリンパ球増殖性病変を呼び,臨床的,病理学的に悪性リンパ腫との鑑別が問題となるが,通常反応性で良性の疾患としてとらえられている.皮膚におけるpseudolymphomaの概念は未だ確立されていないのが現状で,自然消褪ないしは悪性化への潜在性などの臨床的特徴やリンパ瀘胞様構造の有無,浸潤細胞の形態などの病理学的所見からも様々な名称が提唱され,さらに近年,浸潤細胞の表面マーカー,遺伝子再構成所見にも多様性があることが知られるようになってきた.我々皮膚科医にとって重要なことはpseudolymphomaをいかに診断し,いかに治療(経過観察を含め)するかということであるが,本稿では最近我々がいくつかの実験的手法を用いて検討したpseudo—lymphomaの生物学的特徴を紹介し,最近の知見について述べた.
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