Japanese
English
今月の症例
Hypomelanosis of Itoの1例
A case of hypomelanosis of Ito
天谷 雅行
1,4
,
原田 玲子
1
,
室谷 浩二
2
,
緒方 勤
2
,
秋山 真志
3
Masayuki AMAGAI
1,4
,
Reiko HARADA
1
,
Koji MUROYA
2
,
Tsutomu OGATA
2
,
Masashi AKIYAMA
3
1東京電力病院皮膚科
2東京電力病院小児科
3北里研究所病院皮膚科
4慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Tokyo Electoric Power Company Hospital
2Division of Pediatrics, Tokyo Electoric Power Company Hospital
3Division of Dermatology, Kitasato Institute Hospital
キーワード:
hypomelanosis of Ito
,
脱色性色素失調症
,
DOPA反応
,
モザイク症
Keyword:
hypomelanosis of Ito
,
脱色性色素失調症
,
DOPA反応
,
モザイク症
pp.309-312
発行日 1997年4月1日
Published Date 1997/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902138
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1歳8か月男児,hypomelanosis of Itoの1例を報告した.生下時より認められ徐々に増強傾向のある渦巻状あるいは帯状の脱色素斑を,躯幹,四肢に認めた.言語発達などの精神発達遅延を認めたが,一般検査,脳波,MRI所見,眼底,各種ホルモンに異常を認めず,血液細胞および培養皮膚線維芽細胞において染色体異常を認めなかった.脱色素斑部は正常部に比較し,表皮メラノサイトの数に増減は認められないものの,基底層のメラニン顆粒が減少しており,DOPA反応が減弱していた.脱色素斑部の電顕所見では,成熟したメラノソームをごく少数しか持たないメラノサイトが目立ち,電顕DOPA反応ではそれらのメラノサイトの細胞質内にも陽性顆粒が認められた.本疾患の病因論としては,モザイク説が現在のところ有力である.
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