Japanese
English
症例報告
下肢に生じた棘融解型有棘細胞癌の1例
A case of acantholytic squamous cell carcinoma
佐々木 裕子
1,2
,
秋山 真志
1
,
荒浪 暁彦
1
,
杉浦 丹
1
Yuko SASAKI
1,2
,
Masashi AKIYAMA
1
,
Akihiko ARANAMI
1
,
Makoto SUGIURA
1
1清水市立病院皮膚科
2慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Shimizu City Hospital
キーワード:
棘融解型有棘細胞癌
,
電顕所見
Keyword:
棘融解型有棘細胞癌
,
電顕所見
pp.1122-1125
発行日 1996年12月1日
Published Date 1996/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902054
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43歳,女.約5年前より右第2趾に皮疹が生じ腫瘤形成を認め当科を受診.初診時,右第2趾の爪甲は破壊されMP関節より5mm末梢側から肉芽腫様隆起性病変を認め,X線所見で末節骨は破壊されていた.また右鼠脛部に拇指頭大の弾性硬のリンパ節が3ヵ所触知された.組織学的には,典型的な扁平上皮癌の組織像と腺様構造を呈する部分が混在して認められ,棘融解型有棘細胞癌と診断された.棘融解型有棘細胞癌は一般に高齢男性の露光部に好発し,老人性角化症との関連が高率に認められるが,自験例は,比較的若年女性の下肢に生じ,リンパ節転移もきたしていることより,典型的な棘融解型有棘細胞癌とは臨床経過,症状とも異なると考え,若干の文献的考察を行い報告する.
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