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特集 最近のトピックス1995 Clinical Dermatology 1995
I 最近話題の疾患
Ridged wart—ヒト乳頭腫ウイルス60型による足底疣贅
Ridged wart induced by human papillomavirus type 60
本多 章乃
1
,
森嶋 隆文
1
Ayano HONDA
1
,
Takafumi MORISHIMA
1
1日本大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Nihon University School of Medicine
キーワード:
ridged wart
,
ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)60型
,
足底疣贅
,
足底表皮嚢腫
,
Southern blot hybridization
Keyword:
ridged wart
,
ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)60型
,
足底疣贅
,
足底表皮嚢腫
,
Southern blot hybridization
pp.31-35
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901509
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ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)60型による足底疣贅を報告した.これらの疣贅はいずれも常色〜淡紅色あるいは淡黄色を呈し,皮野が明瞭で,皮膚隆線(dermal ridge)が比較的保たれた臨床的特徴を有していた.そこで,足底のmosaic wartやmyrmeciaと区別するためにridged wartと呼称した.病理組織学的には,HPV 60型による足底表皮嚢腫と同様の組織学的細胞変性効果が認められた.すなわち,空胞様構造および細胞質内の均質な好酸性封入体である.これらの細胞の核には酵素抗体法によりHPV抗原が認められた.さらに,Southern blot hybridization法により全例においてHPV 60型が同定され,上述の臨床的および病理組織学的特徴は60型感染に特有なものと考えられた.また,ridged wartはHPV感染足底表皮嚢腫の前駆病変と考えられるが,その発生部位が嚢腫に比して荷重部位からやや外れていることから,体重の負荷が嚢腫形成には大きな要因となると推測された.
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